信託銀行の退職金専用定期預金は その後の勧誘が面倒?...試してみた

退職金専用定期預金

終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた...』というトヨタ社長の発言が話題になるなか、一つの組織で定年まで勤めあげるのが、ある意味あたり前のように生きてきた昭和30年代生まれの現50代は、年金が先延ばしになったり、あと少しという定年が遠のいたり...(定年は、もはや55歳・60歳・65歳とまちまちに...)


その昔、夢のような預金金利をうたっていた郵便局の定額貯金
45年前の1974年に史上最高8%を記録しています。私たちが小中学生の頃で、高度経済成長期の終わりです。その後、金利の上下は激しく... 私の父は生きていれば91歳。定年の年は1988年(昭和63年)。バブル景気が1986年(昭和61年)から1991年(平成3年)なので真っただ中ではあったものの、定額貯金の金利は3.64%でした。その後に預金金利が上昇し1990年に6.33%を記録しています。
ちなみに、この歳に定年を迎えた方は現在89歳。羨まし...😕


バブル期と令和元年の定額貯金の利息を比較

【元金10,000,000円 期間1年の場合(税引き前)】
バブル期:年利6.33% 利息... 633,000円
令和元年:年利0.01% 利息...    1,000円 😫


定額貯金は10年間の半年複利ですから... 10年後の差は。。
利息だけで生活できてしまいます。このお年ごろの方々がお元気なのは、ずっと景気が上向きで将来への不安がなかったから...じゃないかな。


それに対して平成生まれの若者たちは、生まれたらバブルが弾け、阪神淡路大震災・山一證券破綻・リーマンショック...と、親が転職を余儀なくされた家庭も多かった。日経平均株価も1989年(平成元年)12月の史上最高値 38,957円から2008年(平成20年)10月に6,994円にまで下落し、非正規雇用が増えた。


信託銀行の退職金専用定期預金は その後の勧誘がこわい?

さて、預金金利が下がるなか、日銀のマイナス金利の影響で“退職金専用定期預金”を無くす銀行も増えました。
3大メガバンクのうち、三菱UFJ銀行・みずほ銀行は取り扱っていません。信用金庫と個別農協の金利が比較的良いように思います。そんな中、高い金利を謳っているのが信託銀行です。


退職金をもらう時「絶対やってはダメなこと」 東洋経済 2018/07/17


“退職金特別ブラン”の投資コースみたいなものには、3ヶ月ものの円定期預金に年利7%(三菱UFJ信託)とバブル期並みの特別金利が設定してあります。ただ、あくまでも3ヶ月間だけなので実質1.75%くらいでしょうか...
元金の半分は投資信託での運用が必須となり、上の記事にあるように購入手数料が2.16%~3.24%かかります。


投資信託の知識が豊富な方でないと、定年退職のタイミングで投資信託を始めるにはリスクが高い気がします。とりあえず元本保証の退職金専用定期預金の金利は、6ヶ月もの年利0.45%(三菱UFJ信託)でした。一般の定期預金が年利0.01%なので、これでもお得なのだ。


信託銀行の退職金専用定期預金は、その後の勧誘がこわい...という意見を目にします。
設定が退職から2年間と長く、組み入れやすい。試しに、もう少し金利の良かった別の信託銀行に行ってみました。投資のプロに話を訊く機会はなかなかないので...


実際に信託銀行へ出向いた体験談(退職金専用定期預金)

経験豊富な女性の方が対応。手続き後、投資信託の説明。途中、支店長が名刺を持って挨拶だけ。多分、「今日は時間がないのでこれで...」と言えば、これで終わりな感じだった。日経平均が直近高値のため、今すぐ投資信託を始めるつもりはないことを伝えた上で話をした。


リーマンショック時などの対応や、損を回復するのにどれくらいの月日がかかったのか...など、丁寧に答えてくださった。帰り際、『ドイツ銀行って実際のところ、どうなんですか?』と投資のプロに訊いてみた。一瞬、表情が静止した...(2年前) その後、勧誘の電話はありません。


あなたの「退職金」は銀行に狙われている:東洋経済
銀行からすると退職金ごときに対応する暇はないような気がします。むしろ70代・80代の本物のお金持ちしかターゲットにしないでしょう。私が行った信託銀行の支店長は、退職金専用定期預金を回してるような貧乏性のお客には興味がないようでした...😅


退職金専用定期預金で注意すべき点

● ネットや雑誌で金利の高い銀行があったとしても、窓口扱いになるため近隣の金融機関から選択する。(退職所得の源泉徴収票や本人確認書類の提出が必要)
● 定年退職前の平日の昼間に口座を開設しておく必要がある。(やたらと通帳が増える)
● 資金移動に手数料がかかる。
● ネットバンク(インターネット支店)の中には、退職金専用ではなく円定期特別金利を頻繁に更新している銀行もある。(通帳を増やさず送金の手間を省ける)